8月の失業率は3.87%
行政院(内閣)主計総処により2018年9月25日、台湾の8月の完全失業率が発表されました。
この発表によると8月の失業率は、3.87%でした。
この結果は、前月より0.06ポイント上昇したことになります。
また、8月の完全失業率(季節調整値)は3.69%となり、前月比で横ばいという結果になっています。
現在の労働市場は全体的に安定しているということです。
台湾の大学では、一般的に6月に卒業式が行われます。
日本の大学生たちは、卒業よりも1年以上前に就職活動をスタートさせますが、台湾の大学生たちは、大学後の卒業シーズンである6月~8月に就職活動を行っている学生が多くいます。
そのため、その影響により、失業率が上昇傾向にあると考えられています。
行政院(内閣)主計総処によるとこの卒業を迎えた大学生たちの就職活動による影響は、8月以降になると緩和されると予想されています。
上向き状況に蔡英文総統も喜び
台湾では、以前より景気の低迷が問題視されていましたが、2018年1月には、失業率が17年ぶりの低下を記録し、蔡英文総統も「失業率は17年ぶりの低さ,株価は28年ぶりの高さ,給与は2.86%上昇,改めてポジティブなニュース!」とツイッターに喜びを投稿していました。
これは、工業地帯である新北市や桃園市で失業率が大きく低下したことや、観光客の増加により、観光業が盛んな地域において失業率が低下したことが影響していると考えられています。
その後3月の、行政院(内閣)主計総処の発表した3月の失業率においても3.66%と、過去18年間の同月と比較し最低水準となり景気が緩やかに回復していることで雇用情勢も改善されていると分析しされていました。
このように、台湾では景気が回復傾向にあると考えられていますが、台湾では、収入格差も問題視されています。財政部(財務省)財政情報センターが発表した2015年度の個人総合所得税に関するデータでは、平均世帯年収は所得上位と下位で約100倍の開きがあるとされていました。
景気が回復傾向にあるとされる台湾ですが、今後はどのようになっていくのでしょうか。
また、景気が回復していくことにより収入格差は縮まっていくのでしょうか。注目したいと思います。