台湾の文化

台湾の気になる食生活・食文化について(外食や屋台、飲酒など)

台湾進出で実際に台湾に滞在する人は、現地での食生活に関心をお持ちの人は多いのではないでしょうか。 慣れない海外の土地では、健康であることは必須です。その健康体を支えるのが食事ですから、気を配る必要は大いにあります。 また […]

台湾の文化

台湾進出で実際に台湾に滞在する人は、現地での食生活に関心をお持ちの人は多いのではないでしょうか。
慣れない海外の土地では、健康であることは必須です。その健康体を支えるのが食事ですから、気を配る必要は大いにあります。
また、その土地の食生活が自分に合わないと非常にストレスを感じる人は多いです。
その点、台湾は日本の飲食店なども多く進出していますし、日本と似た食文化もあるため、比較的日本人が馴染みやすいといえます。
こちらでは台湾の食生活・食文化についてまとめてみました。台湾に滞在する方や、台湾に行くことが多くなりそうな方はぜひご参考にしてください。

台湾の食事情

台湾の料理は、中国南部の福建省などの食文化がベースとなっています。
福建省の料理は四川料理のような辛い味付けというよりは、淡白な味付けや甘い味付けのものが多くなっているため、クセがあまりないといえます。
中でも台湾料理は、素材の持ち味を生かすための塩分控えめな味付けが多くなっています。
その反面、脂っこい料理が多いことが特徴です。
薬膳も浸透しており、暑いながらも暖かい料理が好まれる傾向があります。

実際、仕事後のOLが立ち寄るのは、オシャレな居酒屋やバーでの食事というよりも大衆的なお店で火鍋と呼ばれる鍋を囲むことが多いようです。
また台湾料理はスープを一緒に注文することがほとんどで、台湾人はこれを飲み干すという認識があります。
そのため、日本のように濃い味付けだと、飲み干したときに濃すぎるということになりかねません。

台湾の暑い気候から、甘味類も人気があります。
マンゴーを始め、桃やゼリー、杏仁豆腐などをアレンジしたものが人気です。
ただし、日本で暑さが一定の気温を超えるとアイスクリームよりかき氷が売れるように、濃厚なソフトクリームより、淡白なジェラートの方が一般的に好まれています。
お茶なども甘い味付けで飲むことが多くなっています。

台湾の食文化・食習慣としては外食文化が発達しているという特徴があります。
自炊よりも、外食や中食(食事は家でとるが、自炊はしないこと。既製のコンビニ弁当を家で食べることなどがそれである)が多くなってきています。
特に若年層の外食割合も高く、例えば一人暮らしの賃貸物件にはキッチンが無いこと、またスーパーマーケットや屋台で食事をとった方がコスト的にも安いことも、外食の割合を高めている一因と言えます。

また台湾人は朝から屋台やチェーン店でがっつり食べることも特徴です。
朝食専門店はチェーン店だけでも約1万ほどあり、朝食ビジネス競争が激化しています。
屋台に並ぶのは炒めビーフンなどの麺類、おかゆなどの他に、揚げパン(油條)や豆乳(鹹豆漿)もあります。
ちなみにこの豆乳、一般的には温かく、味も「甘い」「普通」「ラー油などを入れた辛い」ものから選べるそうです。
ランチタイムは屋台や食堂、夕食はレストランと、一日を通して温かい状態の食事をとっています。

台湾でよく食べられる揚げパン(油條)や豆乳(鹹豆漿)

慣れない人は屋台料理を衛生面などから敬遠することもありますが、
そういった方は最初はチェーン店での外食になれていくようにしましょう。
台湾の風土に慣れてきたら、徐々に屋台料理に挑戦してみましょう。実際に食べてみると美味しいですし、安いのでお財布にも優しいです。

台湾の主食とブーム

台湾の主食は日本と同じく、米です。
2013年の一人当たりの米消費量は日本が63kgなのに対し、台湾は45㎏と、日本に近いくらいの米の消費があります。(※参照:農林水産省、台湾行政院農業委員会資料)

台湾の場合、米だけでなく、中国からの小麦を原料とした食事(麺類や小籠包など)も多いため、
日本よりは米の消費量が少ないと考えられますが、それでも主食といえるくらいの割合を占めているのです。
主食が米や麺のため、日本人は慣れやすい環境といえるでしょう。

主食も似ていますが、日本と同じような食生活の問題もあります。
脂っこい料理が多い台湾では、近年「肥満」が問題になっています。
肥満による健康問題が話題に上ることが多くなってきているため、食生活の改善をするべきという指摘の声も挙がりつつあります。
肥満対策のために、ダイエットサプリや健康食品を購入する台湾人も多く見られます。

その流れからか、台湾ではコーヒーがブームとなっているようです。
小売店におけるコーヒーの市場規模は、2017年で約38億元となり、5年前の2012年の約26億元と比較するとその比は何と+43%です。
また、インスタントコーヒーの市場規模は微減していますが、レギュラーコーヒーは約3倍の拡大をみせています。

台湾の食費

台湾で生活する場合、食費はどのくらいかかるのでしょうか。
もちろん高級なお店でがっつり三食とれば、それなりのコストがかかります。
しかしお腹を満たす程度であれば、200~300元程(約700円~1000円)で過ごすことが出来るようです。
それも「三食外食」でもこの程度というから驚きです。他のアジアのように、外食文化が根付いていますね。

以下に台湾で過ごす際に出会うであろう、主な飲み物・食べ物と、そのおおよその値段をまとめました。台湾で過ごす1日の参考にしてみてください。

食事 値段(台湾元) 値段 日本円 1台湾元=3.6円計上
小籠包 100元~200元(10個) 360円~720円
魯肉飯(ルーローハン) 30元~40元 108円~144円
雞排(フライドチキン) 60元~100元 216円~360円
台湾風おにぎり 30元 108円
サンドイッチ 25元~35元 90円~126円
タピオカミルクティー 30元~45元 108円~162円
マンゴーかき氷 100元 360円
油條(揚げパン) 10元~15元 36円~54円
豆漿(豆乳) 20元 72円

台湾の飲酒習慣

台湾と日本では飲酒習慣が異なります。
日本では「仕事帰りに一杯」といった光景が会社でもよく見られますが、台湾では一般的に、お酒はそこまで飲まない、飲んでも「食後」に飲む程度です。
仕事帰りはお酒ではなく、「(火鍋を)一杯」といった具合です。

ただしお酒を全く飲まないというわけではありません。
誕生日や何かのお祝い、おもてなしの際には、お酒をたくさん飲む特徴があります(これも食後ですが)。
また、ビールを飲む習慣は日本ほどはありませんが、ウイスキーをよく飲む傾向があります。

台湾人は日本人ほど二次会へは流れません。
しかし歌うことは大好きなようで、一次会からカラオケに行くことが台湾人の娯楽の一つとなっています。
現地で台湾人の従業員と付き合っていくには、飲み会を強要せず、食事会などを定期的に開くと円満な人間関係が築けるかもしれないですね。

台湾での日本食

台湾では、日本系列の食品が多く販売されています。
例えばコンビニエンスストアの「セブンイレブン」は、台湾内だけで5,282もの店舗が展開されています。(2018年6月現在)
台湾と面積が同じくらいの九州が店舗数2,282ですので、台湾でのセブンイレブンの多さがよく分かります。
また定食チェーン店の「大戸屋」も、台湾島内に33店舗を構えていたり、吉野家やすき家、ココ壱番屋やモスバーガーも台湾島内に進出しているため、とりあえずの日本食には困らないでしょう。
スーパーマーケットやコンビニにも日本のお菓子や果物が陳列されており、諸外国と比べて日本食だけでなく、日本産の商品も容易に手に入れることが出来ます。
長期滞在などを予定されている方でも、日本の商品が入手しやすいという点で他の国より過ごしやすいといえます。

いかがでしたでしょうか。台湾は比較的日本に近い食文化・食生活になっているため、海外進出初心者でも安心です。
現地で過ごしているうちに、現地スタッフと一緒に食事などすれば台湾の食文化にも慣れていけます。
食事を一緒にとるなど、仕事以外の時間を現地スタッフと取ることで連帯感も生まれやすくなるので、積極的に食文化に慣れていきましょう。