会計と税務

台湾の消費税「営業税」(VAT)の税率、申告・納税方法、輸入・輸出の扱い

台湾の税収で2番目に大きいのが営業税(VAT=Value-added Tax)です。 営業税は日本でいう消費税 […]

会計と税務

台湾の税収で2番目に大きいのが営業税(VAT=Value-added Tax)です。
営業税は日本でいう消費税と同じような税金になります。
所得税に次いで税収が大きいため、台湾政府も営業税に関しては厳しく管理しています。
もちろん、台湾進出時にも営業税は大きく関わってきます。
こちらでは台湾の営業税について解説しましたので、ぜひご参照ください。

台湾の消費税=営業税(VAT)

営業税は、日本の消費税に相当する税金です。
英語ではVAT(Value-added Tax 付加価値税)と呼ばれています。
インボイス方式の課税方式を採用しており、営利事業者は「統一発票」と呼ばれる公式のインボイスを発行しなければなりません。

統一発票とは?

統一発票は日本でいう「レシート」なんですが、台湾ではレシートに宝くじの番号が割り振られているのです。
統一発票が開始される以前はレシートを通さずに売上を計上してしまうため、不正が多く行われていました。
そうした状況を打破するために、統一発票を開始することで、消費者一人一人がレシートを必ず貰いたがるようになったのです。
このように、営業税を適切に徴収するために、台湾政府も工夫をこらしています。

営業税の税率は何パーセント?

台湾の営業税(VAT=Value-added Tax)の税率は5%です。
日本の消費税と同様に、経費の支払い時に「仮払い」した営業税は通常、販売した際に受け取る「仮受け」の営業税と相殺したうえ、納税を行います。
ただし、仮払いした消費税のうち、本業に関連しない支出や接待交際用の支出に該当するものは、仮受けした営業税と相殺することが認められていません。
適切に営業税が徴収できるよう、課税の管理は厳正に行われているため、本業に関係ない範囲を無理やり営業税にすることは不可能です。

営業税の申告や納税・還付方法、罰則

営業税は間接税のため、納税をするのは消費者ではなく、商品やサービスを提供した事業所となります。
台湾の営業税申告は、奇数月の15日までに前月と前々月の2か月分を行います。
奇数月は二ヶ月分の計算を15日までに行う必要があるため、事業者は大忙しです。
なお、納税日に関しては下記のような取り決めがあります。

①「仮受営業税 > 仮払営業税」の場合
申告日までに納税を行う必要があります

②「仮受営業税 < 仮払営業税」の場合
還付対象でない限りは、当該金額を次回の申告に繰越しします。

仮払営業税の控除額がポイントとなってきます。
仮受営業税と仮払営業税について明らかにしておくようにして、納税のタイミングを間違えないようにしましょう。

また、営業税申告の際には、統一発票が必要です。
国税当局はスーパーコンピューターを使って、統一発票の発行元の営業税と受領先の営業税の突き合わせを行い、申告漏れがないかどうかを即座に把握します。
営業税に関する罰則は厳しいものになっているため、事業所では奇数月になると経理担当者は非常にタイトな決算を迫られます。
罰則は、1倍~10倍の罰金が課され、1年間に3回申告漏れが摘発されてしまうと営業停止処分となります。
これから台湾進出を検討するのでしたら、経理周りの人事についても予め気を配ることをオススメします。

営業税の輸入・輸出時の取り扱い

営業税は外国企業の存在によって取扱い方が変化します。
こちらでは下記の5ケースにおける営業税の取扱い方について、それぞれ確認しましょう。

①台湾国内での企業間の物品販売や役務提供
②日本企業から台湾企業への物品輸出の場合
③日本企業から台湾企業へ役務提供する場合
④台湾企業から日本企業への物品輸出の場合
⑤台湾企業から日本企業へ役務提供する場合

①~⑤についてそれぞれのケースにおける営業税の取扱い方を確認していきます。

①台湾国内での企業間の物品販売や役務提供

外国企業が登場せず、台湾国内における企業間の場合には、営業税5%が発生することはわかると思います。
日本で消費税が発生するように、台湾でも営業税が発生します。

さて、②~⑤に関しては海外企業として「日本企業」と台湾企業が取引を行ったケースにおける営業税の取扱い方を確認します。

②日本企業から台湾企業への物品輸出の場合

この場合、日本企業には輸出に伴う「売上」が生じ、台湾企業は資金を投じて「仕入」を行うこととなります。
そうなると、台湾企業に営業税5%が発生することになります。

③日本企業から台湾企業へ役務提供する場合

役務提供とは、サービスの提供やコンサルティングなど行うといった物品以外のやり取りということになります。
ただ、お金の移動に関しては物品輸出と同じです。日本企業には役務提供による「売上」が生じ、台湾企業はその役務を「仕入」します。
つまり、物品のやり取りをするときと同じく、台湾企業に営業税が5%発生することになります。
なお、使用地が台湾または輸入関連役務の場合です。

※ただし、仕入れを行った台湾企業が提供された役務を自社の課税行為に使用する場合(製造や販売等)には特別に免除されます(営業税法第36条)。

④台湾企業から日本企業への物品輸出の場合

②とは逆の商流の場合、つまり台湾企業から日本企業へ物品を輸出するケースです。
この場合、資金を投じて「仕入」を行うのは日本側なので、台湾企業には営業税は発生しません。つまり営業税は0%となります。

⑤台湾企業から日本企業へ役務提供する場合

③とは逆の商流になった場合、つまり台湾企業が日本企業にサービスの提供やコンサルティングなどした場合です。
この場合、日本企業が資金を投じて「仕入」を行い、台湾企業に「売上」があがります。
台湾企業が仕入れを行っているわけではないので、営業税は0%となり発生しません。

③⑤のような役務提供のケースにおいては、源泉所得税も関わってきますので注意が必要になります。
詳しくは、源泉所得税の記事もご参照ください。

以上が台湾の営業税の解説となります。
冒頭でも述べましたが、台湾にとって営業税(VAT=Value-added Tax)は国内№2の税収源です。
どの国でもそうですが、台湾政府にとっては税収も大切ですし、国内の税に関するモラルを壊さないためにも、税収にはとても厳しいです。
罰則などもかなり厳しい内容になっていますので、台湾進出の際には営業税に関する意識もしっかりと持つようにしましょう。

参考記事
統一発票とは
台湾の個人所得税
台湾における源泉徴収
台湾の移転価格税制