日本人が台湾を含む外国で仕事をすることになった場合にも、日本の税金とは無縁ではありません。
自分の働き方が日本の税法上のルールの中でどこに区分されるかによって、課税の方法が変わるためです。
日本の所得税が課税されるか否かは、
・居住者と判定されるか、非居住者と判定されるか
・居住者のうち、永住者と判定されるか、非永住者として判定されるか
・国内源泉所得(国内で役務提供の対価が発生)か国外源泉所得であるか
によって変わります。
居住者か非居住者かという点で大きく異なってきますので、両者の違いを理解しておく必要があります。
「居住者と非居住者の違い」を参照しつつ、当ページを参考にして駐在員の日本における所得税について把握しておきましょう。
非居住者と判定された場合の所得税
まず、所得税法上の非居住者と判定された場合ですが、日本の居住者ではないため基本的には日本における所得税の課税はありません。
ただし、国内源泉所得については所得税がかされることになります。
国内源泉所得とは、日本国内で発生した所得のことです。
たとえば、日本から台湾に赴任している人が出張で日本に一時帰国して、日本国内で役務提供した(普通に働いた)場合は、この役務提供に係る対価は日本国内で発生したとみなされます。
非居住者として台湾で働いている部分に対しては所得税は課税されませんが、一時帰国して国内で働いた部分に対しては、所得税が課されることになるのです。
居住者と判定された場合の所得税
一方、所得税法上の居住者と判定された場合、基本的には日本国内および台湾で発生したすべての所得に対して日本の所得税が課されることになります。
例えば、日本の内国法人に勤務する社員が、台湾に出張をして役務を提供したとしても、その対価に関しては日本で所得税が課されるということです。
居住者のうち非永住者と判定された場合の所得税
居住者のうち非永住者と判定された場合には、国内源泉所得についての扱いは変わりません。
ただし、台湾で発生する国外源泉所得のうちの「日本国内において支払いを受ける、または台湾から送金を受けた場合のみ」に日本の所得税が課されることになります。
非居住者が台湾で役務提供を行い、その対価の支払いと受け取りが台湾でなされた場合は、日本の所得税の対象とはなりません。
逆に、出張の対価が給与に含まれており国内で支払いを受ける等の場合、日本で所得税が課されます。
国外源泉所得のうち日本で課税となる所得については、日本と台湾の両方で課税される、二重課税になってしまわないかどうか注意が必要です。
日本の住民税の課税について
日本の住民税が課されるか否かの判断は非常にシンプルで、1/1時点で居住者かどうかが判断基準になります。
下記に上記の解説を表でまとめました。
こちらもご参考にしてください。
<表>
以上が台湾駐在員の日本における所得税に関する解説となります。
台湾駐在員の日本所得税は「居住者」か「非居住者」かによって課税方式が大きく異なります。
つまり、台湾駐在員のステータスが重要になってきますので、駐在員が居住者か非居住者かというという点は把握しておくようにしましょう。
「居住者と非居住者の違い」についても解説しているので、そちらもご参照ください。