会計と税務

台湾の法人税(営利事業所得税):税率は安いの?何パーセント? 納税の方法など解説

台湾進出をして法人を立ち上げれば、日本と同様に法人税を納付する義務が発生します。 台湾は海外からの進出企業が多 […]

会計と税務

台湾進出をして法人を立ち上げれば、日本と同様に法人税を納付する義務が発生します。
台湾は海外からの進出企業が多くなっていることや、台湾自身が目覚ましい経済発展を遂げていることから、法人税に関する税制も頻繁に改革されています。
そのため、古い知識のまま台湾進出を計画すると、予想以上の税額になってしまい、計画が崩れてしまう恐れもあります。
こちらでは台湾の法人税に関する情報をまとめましたので、台湾進出の際にお役立てください。

台湾の法人税の名称

日本の法人税にあたる法人への所得税は、台湾では「営利事業所得税」と言います。
台湾はここ数年間は数回にわたって引き下げ傾向にありました。
25%から20%、そして17%まで下げたこともありました。
この引き下げ傾向には近隣の中国(25%)、香港(16.5%)、シンガポール(17%)より高いというイメージが強かったためです。
ただ、2018年度より再び税率が引き上げとなりました。
活発化する台湾進出に伴い、営利事業所得税(法人税)の変動も激しくなっているといえます。

台湾の法人税率は何パーセントか

台湾の法人税率は、2017年までは日本より低く、日本企業にとってはタックスヘイブンの状態でした。
しかしながら、2018年に20%に上がったことで、日本と台湾の税率は同等となりました。
台湾の営利事業所得税(法人税)の2,000年代以降の変動は下記の通りです。

2001年~2009年 25%
2010年~2017年 17%
2018年~ 20%

なお、上記に加えて、2000年以降から「内部留保の10%追徴課税」の税制を導入しています。
日本だと「二重課税じゃない?」なんて疑問も出てきそうですが、台湾の税制となりますので抑えておきましょう。
台湾では前年度の利益剰余金に対して10%の法人税を課税します。

なお、下記事項に関しては控除となります。

1.過年度繰越欠損金の填補
2.該当年度の株主配当分
3.会社法などに基づき計上した剰余金
4.外国との条約による特別積立金
5.会社定款による当該年度の役員報酬、賞与、従業員賞与の支払い分
6.その他当局規制の特別積立金
7.法令に基づき資本剰余金へ振替分
8.その他財政部の許可を得た留保分

(台湾所得税法第66条の9・所得税法施工細則第48条の10より)

なお、上記の10%追徴課税の税額の半分に関しては2015年度より控除出来ないようになってしまいました。
台湾での課税負担を減らしたいのでしたら、発生した利益は翌年に出来るだけ配当してしまいましょう。

台湾の法人税率は累進課税なのか、免税はあるのか

日本では法人税は課税所得額に応じて税率が上がる累進課税の方式をとっていますが、台湾の法人税率はよりシンプルです。
税率の分岐点は、「課税所得額が12万元超か否か」です。

【営利事業所得税税率[所得税法第5条]】

課税所得額 税率 税額の上限
12万台湾元以下 免税
12万台湾元以上 20% 課税所得額の12万台湾元超過分の半額

(例外)

12万台湾元以上、50万台湾元以下

2018年度:18%

2019年度:19%

2020年以降:20%

課税所得額の12万台湾元超過分の半額

表のように2018年から2020年までは法人税率17%→20%への移行期間となっていて、1%ずつ税率がアップします。

台湾の住民税、事業税

日本で法人税といったとき、主に下記の3種類があります。

①国に納付する法人税
②自治体に納付する法人住民税
③自治体に納付する法人事業税

台湾でもこのようなイメージをするかもしれませんが、
台湾では、このうちの②法人住民税③法人事業税に相当する税金がありません。
日本における「国に納付する法人税」のみの納税となります。

納税の方法

台湾の法人税の申告納税は、決算日の翌月から起算して5カ月目になります。
期限の延長は認められないため、ご注意ください。

非上場会社の場合、決算月は日本と同様に任意に選択可能です。
例えば、12月決算の会社の場合、5カ月目の5月が申告納税期間となります。

また、設立第2年目は、前年度の法人税の納税額の半分を収める予定納税制度があります。
納税期間は決算月から9か月目です。前年度に利益が大きく上がった場合には、前年度分の納税後すぐに予定納税の納付があるため、キャッシュフロー管理が重要となります。;

欠損金の繰越し

日本と同様に、台湾にも欠損金の繰越制度があります。青色申告または会計監査を受け、管轄税務機関により審査確定された欠損金については、10年間繰越し、課税所得から控除することが認められています。ただし実務上は、青色申告はほとんど認められておらず、欠損金の繰越しをするためには税務監査を受けることが多いです。
初年度から黒字決算をできるとは限らないため、新規法人設立に際しては、税務監査を受けることが一般的になっています。

以上が台湾における法人税の解説となります。
台湾進出をして法人を設立する際に、法人税の納付は毎年発生するため、避けては通れません。
基本的に、専門家である会計士や税理士に委託することになるかと思われますが、経営者として概要を理解しておくのと理解していないのでは大きな差が生まれます。
台湾における法人税に関しても理解して、より主体的に法人を運営していきましょう。

参考記事
台湾の消費税(営業税)
台湾の個人所得税
台湾における源泉徴収
台湾の移転価格税制