台湾の文化

台湾での労働時間や残業、休日について~台湾の労務管理って?~

海外で法人設立を行う際、やはり気になるのが現地社員の勤務時間や休日についてです。 海外であろうと、日本であろう […]

台湾の文化

海外で法人設立を行う際、やはり気になるのが現地社員の勤務時間や休日についてです。
海外であろうと、日本であろうと従業員の勤務時間に気を配るのは経営者の義務といえます。
労務管理を適切に管理することを心がけ、公平な管理を行いましょう。

さて、日本と違い、海外は個人の時間をより大切にする傾向があります。
そのため、日本人と同じ感覚で台湾人と接すると、思わぬタイミングで不満が募るなどする恐れがあります。
そんな事態を防ぐためにも、ここでは台湾における勤務制度や休日、文化について見ていきましょう。

台湾での勤務時間

台湾での勤務時間は、原則として1日8時間(例えばお昼時間の1時間を休憩とする場合、9時から18時)を正常勤務時間としています。
日本と同じく、1週間で40時間の勤務時間となります。

労使との合意があればシフト制により追加勤務を定めることが出来ます。
この場合、1日2時間までの追加勤務となり、1週間で48時間、2週間だと80時間までの枠内での調整となります。
ただし労使の合意があっても、2週間以内と定められていますので、2週間を超えた期間の場合、また上記の追加勤務時間を超える場合は残業対象となります。

台湾の残業について

残業というのは労務管理を行ううえでは、結構デリケートなものだといえます。
残業代としてコストはかかりますし、残業をしてくれるのが当たり前という感覚ですと、従業員の不満が募りかねません。
台湾の残業の規定を理解するのはもちろん、残業に対する意識についても理解しておきましょう。

台湾の残業についての規定

台湾に進出した際のスタートアップ時、どうしても残業が必要になる場面もあるでしょう。
勝負時に人では必要になるでしょうし、何より現地スタッフの協力があるに越したことはありません。
しかし注意しておかなければならないのは、「台湾の残業代の割合は日本よりも高い」ということです。

日本の場合、8時間を超えて勤務すると、平均賃金の1.25倍の残業代を支払わなければなりません。
しかし、台湾の場合は8時間を超えて勤務した分は、1.33倍の残業代を支払わなければならないのです。
それも2時間以内の残業の場合です。
2~4時間を超えて残業した分は、1.67倍の賃金単価で計算しなければなりませんし、1日12時間の勤務時間を超えてはならないのです。
また、台湾の残業時間は月46時間に制限されています。
日本での残業よりコストがかかるという点を把握して、コスト管理についても気を配る必要があります。

台湾人の残業意識

「残業代はしっかり支払うから、残業してほしい……!!」

そんな現地社長の願いが届くのか、気になるところですよね。
台湾人の従業員は、「猫系(ちなみに日本人は犬系)」と呼ばれています。
台湾人は特定の主人には従順ですが、自分の好きなように動くことが多いようです。
集団行動への意識は日本の会社組織と比較して決して高いとは言えないものの、個人の権利をやたら主張するということもない、というのが現状です。
特定の主人(上司)には従順ですので、信頼関係が築ければ、残業も問題なくしてくれるでしょう。
逆に信頼関係が築けていないと、はっきり「残業はNO」と断られることも多いようです。
台湾人は、「残業が嫌」というよりかは、「誰の依頼なのか」が重要になってくるようです。

会社で雇う従業員たちは、皆それぞれ個性や感情を持った人間です。
コストを支払うだけで無条件に残業をしてくれるというわけではありませんので、しっかりと信頼関係を構築するよう努めましょう。
慣れない土地で現地スタッフの協力が得られないのは致命傷ともいえます。残業について考えるついでに、もう一度社内の人間関係などを整えるようご配慮ください。

台湾の休日制度

ゴールデンウィークやシルバーウィークなど、日本の休日制度は世界的に見てもユニークなものです。
台湾にも独自の休日制度ありますので、一年間のスケジュールを立てる際にも休日制度の確認をしておきましょう。

台湾の法定休日

台湾では2017年から、「一例一休」制度が始まりました。
これは1週間に1日ずつ、休息日と定例休日をそれぞれ取得するように定められたのです。
定例休日は働くことが出来ませんが、休息日は労使双方の同意を得られれば働くことが可能です。
祝日(祭日)については、台湾は日本より少ないという特徴があります。
主な祝日(祭日)は以下となります。

1月1日 新正月
2月4日 除夕(大晦日)
2月5日~10日 春節(旧正月)
2月28日 平和の日
4月5日 清明節(こどもの日)
6月7日 端午節
9月13日 中秋節
10月1日 国慶節

 

※日付は2019年版であり、旧暦のため年によって月日は変化する行事があります

台湾の有給休暇

台湾の有給休暇は、勤務してからの期間で日数が変化します。

6か月以上の勤務 3日
1年以上2年未満 年間7日
2年以上3年未満 年間10日
3年以上5年未満 年間11日
5年以上10年未満 年間15日
勤務10年以上 1年ごとに1日ずつ追加

 

となり、最大で年30日の有給休暇が付与されます。
休暇を繰り越さない場合、年度ごとに会社が休暇分を買い取らなければなりません。

台湾の育休・産休制度

台湾では2009年に「性別平等条例」が改訂されるなど、台湾でも男女平等については注目されています。
性別平等条例の改定により有給の育休休暇が制度化されるなどしています。
女性の出産時は、前後8週間の休暇が認められます。
しかしながら、妊娠が発覚した段階で減給や降格など行い、退職を促す(というよりは追い込む)といったケースもまだまだ多いようです。

そうした現状を受けて、台湾進出する日本企業は、台湾のローカル企業よりも福利厚生に力を入れているケースが多くなっています。
そのため、育休などを視野に入れている女性も日本の企業に勤めたがっている傾向もあります。
ただ、制度だけしっかりしていても運用する側である我々がしっかりしていなければ、制度を運用出来ません。
台湾女性たちの期待に応えるためにも、産休・育休制度にも気を配るよう心がけましょう。

台湾ならではの休日制度

日本に比べて祝日が少ない台湾ですが、台湾特有の休日もあります。
それが「台風休暇」です。
台風が直撃するという予報が出た場合、その前日から夕方にかけて、政府から自治体ごとに休みにするか否か、という発表がなされます。
もちろん、予報が外れて台風が来なかったけれども休み、といった状況もありますが、人の命には代えられません。

また、台風休日の場合、「上班不上課」という制度もあります。
これは、子どもは休校(登校しなくてよい)となるが、社会人は出社(休みではない)となる日です。
幼稚園などに通う小さい子どもを持つ親としては、小さい子を家で一人で留守番させることもあるため、この制度は不満があったりするようです。

以上が台湾の休日制度の説明となります。
労務管理は会社の業務の効率化に影響するのはもちろん、従業員一人一人の生活に直接影響を与える重要な要素です。
台湾進出を成功させるためにも、公平な労務管理を行うよう心がけましょう。