当サイトでは台湾進出の際に必要になる税金の知識について、それぞれまとめています。
それに対し、こちらでは台湾の税金の種類や特徴など、概要についてまとめました。
こちらのページをご参照したうえで、台湾進出に纏わるそれぞれの税金についての解説ページをご参照ください。
日本と同じように直接税と間接税がある
それぞれの税金の概要に入る前に、まず簡単な台湾の税金の仕組みについて理解しておきましょう。
台湾の税金は日本と同様に直接税と間接税に分かれています。
直接税とは…
納税義務者と税金を実際に負担する者が同じ税金
(例)個人所得税、法人税
間接税とは…
納税義務者と税金を実際に負担する者が異なる税金
(例)営業税
直接税や間接税に関しては、基本的には日本と同じようなイメージでOKです。
台湾の税収の40%超は所得税で、次いで15%程度が営業税(日本における消費税)となっています。
台湾の主な税金の種類
台湾の主な税金の種類一覧です。
直接税 | 主な税項目 | 税率(%) |
総合所得税(個人所得税) | 5段階の累進課税(5%~45%) | |
営利事業所得税(法人税) |
12万元以下:免税 12万元以上:20% |
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遺産税(相続税) | 10% | |
贈与税 | 10% | |
証券取引税 |
株式:0.3% 社債:0.1% |
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地価税 |
一般:1%~5.5% 自宅幼稚:10% |
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土地増値税 |
一般:20~40% 自宅用地:10% |
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家屋税 | 営業用:3.0%~5.0% | |
契約税 |
売買、贈与、占有契約:6% 担保設定契約:4% 交換、分割契約:2% |
間接税 | 営業税 |
一般課税適用者:5% 特殊課税適用者: 金融保険業 2% 特殊飲食業 15% 小規模営業者 1% |
酒税・たばこ税 |
ビール:26元/リットル etc… たばこ:590元/kg |
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関税 | 輸入品目による | |
貨物税(物品税) | 電気製品類:10%~20% etc… | |
印紙税 |
動産売買:12元 不動産売買等:0.1%~0.4% |
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鑑札税 |
小型車:1,620元~151,200元 大型車/貨物車:900~16,200元 |
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特種物品及び労務税 (ぜいたく税) |
10%~15% |
海外進出に関する他の税金については下記をご参照ください。
参考記事
台湾の法人税
台湾の消費税(営業税)
台湾の個人所得税
台湾における源泉徴収
その他台湾の税金の特徴
当サイトでは台湾進出に関する税金の解説を行っております。
こちらのページでは補足として他の税金に関する特徴についてもまとめました。
遺産税・贈与税は税率が低め
台湾の税制の特徴として、遺産税(日本における相続税)と贈与税の税率が低いという点が挙げられます。
遺産税の税率は10%~20%となっており、免税範囲もあります。
また、日本人にも台湾内の資産については遺産税が生じます。
遺産税の申告納税が完了すると、台湾から日本に財産の移転が可能となります。
贈与税の税率も10%~20%となっております。
日本人が台湾内で贈与した場合にも贈与税が生じます。
日本より免税額がかなり大きく、毎年220万元(約800万円)です。
有価証券の売買にも課税される
有価証券の売買に関しては、0.3%の有価証券取引税が課税されます。
なお、株券を発行していない会社ですと、所得に対しての課税となります。
一定の条件下の有価証券の売買については15%の分離課税となります。
建物・土地の売買への課税
台湾では2016年から建物土地所得税が課税されることになりました。
2014年以降に所有した土地建物に田指定、所有期間により15%~45%の税率で課税されます。
居住用の場合ですと売買所得400万元以下は免税対象となります。
土地売買に関しては、土地の公示価格の増分に対しても土地増値税が課税されます。
税率は増価額と原地価の比率に応じて、20%・30%・40%と適用されていきます。
印紙税には上限がない
日本と異なり、印紙税に上限がないため、日本で契約したほうがお得なケースがあります。
印紙税は契約書の表示金額に対する課税ですが、不動産売買や工事請負契約には0.1%が課税されて上限がありません。
そのため、不動産売買や工事請負契約などは日本で契約したほうがお得になる可能性があります。
その他
台湾には通称「ぜいたく税」という税金があります。
所有期間が2年以内の台湾内の不動産販売、販売価格が300万元以上の小型自動車などの輸入に10%~15%の特殊貨物及び労務税がかかりますが、
これを通称ぜいたく税といいます。
以上のように、日本の税制と類似している点もあれば、制度が異なる点もあります。
基本的に、台湾進出時には税理士や会計士など、税務の専門家の力を借りることにもなりますが、税制に関する知識があるのと無いのでは実務の早さや質にも差が生じます。
また、進出に伴い台湾に滞在する場合も納税の必要が生じてきますので、台湾の税制についてある程度の概要は理解しておきましょう。